人生100年時代。
人生を学生期・家住期・林住期・遊行期の4つに分類するのが
印度の「四住期」。
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第1ステージ:学生期(がくしょうき)=青春
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生まれてから25歳頃が「学生期」。目上の人の元で身体と精神を鍛え、生きるための術を学ぶ時期。一人前の人間として確立しておらず、さまざまな学びを通して独り立ちを目指す。
学生期に当てはまる年代は、現代においても身体の成長や人間関係を通してさまざまな悩みを抱えることも多い。1人では解決できず、八方塞がりになることも……。そんなときに周りの大人のサポートを受け、視野を広げながら人生を切り開くノウハウを身に付けることが重要だということを学生期の考え方。
ちなみに、学生期は梵行期(ぼんぎょうき)とも呼ばれる。出家した者をブッダが励ます際にも「梵行」という言葉がよく使われていたと経典に記されていた。
今も昔も、未熟な間はきちんとした鍛錬をおこない、目上の人の助言を聞きながら一人前の力を身に付けることが大切。
中国の言葉では まさしく「青春」である。
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第2ステージ:家住期(かじゅうき)=朱夏
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25歳~50歳頃、もしくは定年頃までを「家住期」。この年代を迎えると社会人としての力を備え、パートナーとの結婚を考える人が多くなるでしょう。家族を養う責任が生まれ、貯蓄にも意識が芽生える。
このため家住期は、一家の大黒柱として働き、仕事で成果をあげるために頑張る時期。学生期を経て身に付けた知識や技術が家住期で花開けば、きっと充実した人生を送れるはず。子育てや仕事などを通して、変化に富んだ日々を楽しめます。
また古代インドの家住期は、神仏への祭祀(さいし)を怠ることなくおこなうと言われています。家族を大切にしながら、信仰を深める重要な期間。
中国の言葉では「朱夏」である。
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第3ステージ:林住期(りんじゅうき)=白秋
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50歳~75歳頃になると、「林住期」。家住期で家族や社会のために働いた人も、林住期ではその役目を終え、新たなステージを迎る。古代インドでは、社会的な義務のみならず家族とも離別して、林の中で修行や瞑想をすると言われている。現代では家族と離れるほど厳格に林住期の生き方を全うするのは難しいですが、自分の内面と向き合い成熟を目指す段階。
また林住期は「第2、第3の人生」や「収穫期」「黄金期」とも称されます。子どもが自立し、定年を迎えた後にどのように生きるかじっくりと考えることが大切。これから新しい人生のスタートを切っても、まだ遅くありません。社会のしがらみから離れた上で自分が本当にやりたいことを見つけ、充実した人生を送るためのチャンスをつかむ時期。
中国の言葉では「白秋」である。
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第4ステージ:遊行期(ゆぎょうき)=玄冬
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75歳からは、四住期における最後のステージである「遊行期」。これは、人生の終焉に向けて準備をする時期。この世に対する執念をなくし、巡礼を通して死ぬ場所や悟りを求めます。インドのバラモン教では、居住地すら捨てて乞食として遊行をおこなっていた。
ここまで徹底した生き方は困難ですが、近年は「終活」として遊行期に近い生き方を目指す人が増えている。人生における悔いをなくし、気持ち良くお別れができるように、元気なうちから身辺整理や葬儀について考えることも重要。
また、遊行期では大切な人と最後のひとときを楽しむために、終の住処を見つけることを意識。「素敵な生き方ができたな」と人生を振り返えることができるように、自分自身と向き合いながら行動が大事。
中国の言葉では「玄冬」である。
以上
(五木寛之;「下山の思想より」